1時間未満の残業時間がある場合、企業によって、すべて切り捨て処理したり、30分単位で端数は切り捨て、など様々な対応をされているのではないでしょうか? 労働基準法24条に、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と規定されています。したがって、1分でも切り捨ててはならない、ということになってしまいますが、それでは事務が煩雑になるだけです。 実は、端数処理の方法については、通達で細かく定められています。 1時間未満の残業時間 1か月における時間外労働、休日労働および深夜業のそれぞれの実際の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げて計算することができます。 したがって、1日毎に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げて、その時間数を合計する処理は違法となりますので、注意が必要になります。 賃金の端数処理 (1)1時間当たりの賃金額の端数処理 1時間当たりの賃金額および割り増し賃金額に1円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げることができます。 また、1か月における時間外労働、休日労働、深夜業のそれぞれの割り増し賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合も同様です。 (2)1か月の支払額の端数処理 1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合は控除した金額)に100円未満の端数が生じた場合は、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100円に切り上げて支払うことができます。 (3)千円未満の端数の繰越処理 1か月の賃金支払額に生じた千円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことができます。
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