弁護士会の役員費用 弁護士は弁護士会に入会し、弁護士名簿に登録されなければ、弁護士としての仕事をすることが出来ません。また、弁護士会は会員弁護士の中から選出された役員を中心として日々運営されています。 その弁護士の事業所得の計算に際し、支払った弁護士会の会費は必要経費となるが、弁護士会役員となるため、及び役員となった後の活動費及び弁護士政治連盟の会費等は必要経費とならない、という驚くべき見解が示されました。 すべての〇〇士会に共通 見解を主張したのは当然税務署ですが、これを是とする判断を示したのが国税不服審判所です。平成21年3月24日のことです。 税理士ほか強制入会の全ての〇〇士にとって共通のテーマが突然湧き出てきたわけです。 弁護士でなければ弁護士会の役員になれませんから、役員諸掛り費用には業務関連性はあるはずです。それなのに、通常でかつ直接の費用とはいえないから認めない、と国側は主張します。 この論理の射程範囲 所得税法では「業務について生じた費用」としているだけで、通常とも直接とも言っていません。国側主張は行き過ぎです。 国側主張によると、次のものは必要経費に認められません。即ち、各種団体で役員になった場合の役員関連費用は当然のこととして、強制入会ではない医師会の会費、一般企業が支払う青色申告会、法人会、商工会、その他すべての業界団体への支払会費も認められません。法人の場合は交際費という扱いになるのでしょう。 それなら税務調査費はどうなる 税務調査に際して、各企業は結構多くの費用負担をしています。 コピー代など人件費含めて1枚100円くらいの積算原価になります。税理士への調査立合費用も生じます。調査に付き合う社長・役員・社員の人件費も相当なものです。税務調査場所の無償提供義務はありませんので場所代も見積もるべきです。まだまだありそうです。これらの費用は通常でかつ直接の費用とはいえません。 経費にならないのなら、税務署の負担としてもらわなければ困りますね。
もどる