東京還付ストーリー (中編)

  監督・脚本・語り  藤森 雅仁    キャスト  森尾 カンジ・・・モリ蔵

                               さとみちゃん・・・不二子
                              三上税務職員・・・ ?

 

カンジは走った。ナリタブライアンのように力強く、トーカイテーオーのようにしなやかに、そしてオグリキャップのようにドラマチックに目的はただ一つ税金を還付してもらう為に。そして、ついに東京税務署に到着したカンジだが、そこで幼なじみのさとみちゃんに出会う事となる。         語り

 

「さとみちゃん」

    森尾君? 森尾君でしょ。

「カンジ」

 さとみちゃん? さとみちゃん久し振り。随分大人っぽくなっちゃって、元気してる?

 さとみちゃんは小学生からの幼なじみでカンジの初恋の人であり、また永遠のマドンナでもあった。

「さとみちゃん」

 元気よ。森尾君の方こそどうなの? ここでなにをしているの?

「カンジ」

 いやぁ、実は税金を還付してもらう手続きをしに来たんだよ。

  

「さとみちゃん」

え! 森尾君もなの。私はたった今還付申告の手続きをしてもらったばかりなのよ。

 
「カンジ」

そうするとさとみちゃんも会社をやめてプータローをしていたんだね。

 
「さとみちゃん」

私もプータローってどういう事?

 
「カンジ」

え、いやこっちの話。

 
「さとみちゃん」

私は去年お医者さんに沢山かかっちゃたんで医療費の控除による還付の申告をしに来たのよ。

 
「カンジ」

お医者さんにいっぱいかかると税金を還付してもらう事ができるの?

    
「さとみちゃん」

誰もができるってわけじゃないのよ。一年間に支払った医療費の金額の合計が10万円、又は自分の所得金額の5%のいずれか低い金額を超える場合には、その超えた部分の金額を所得金額から控除する事ができるのよ。 ちなみに私は 30万円 ぐらいの医療費がかかったんだけど、還付された税金は 16,000円だったわ。

 
「カンジ」

なるほどね。でも僕はあんまり医者にお世話になることはなさそうだな。

 
「さとみちゃん」

ところで森尾君はどうして還付申告をするの?

 
「カンジ」

え?別に話すほどのことでもないよ。じゃあ、僕はこれから還付の申告をしにいってくるからまた会おうね。 バイバイ。

 

 

カンジは半年近くもプータローでいるので、さとみちゃんにはあまり会わす顔がないようだ。さとみちゃんの前ではカッコイイ男でいたいのだろう。

さて、意気揚揚と還付申告にむかうカンジ。そして、それを待ち構える三上税務職員。

はたして、カンジは無事に税金を還付してもらうことができるのか?

 

次回、 ”モリ蔵と不二子の東京還付ストーリー最終章”  乞御期待!!!

 

  注       この物語はフィクションであり、登場人物・団体等の名称はすべて架空のものです。

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